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今回でブログ引っ越し後24本目の記事、今回のテーマは

「トレーナーの実力を手っ取り早く見るには「痛み」を相談してみると良いかもという話(思いつき)」

というテーマで更新していきます。早速行きましょう!

トレーナーの実力を手っ取り早く見るには「痛み」を相談してみると良いかもという話(思いつき)

前回に引き続き「トレーナーの実力とは」シリーズ

こんにちは!沖縄那覇のパーソナルトレーニングスタジオstudio kinariのミナミです。


さて本日は何を書こうかなと考えたところ、ちょうど一つ前に投稿した記事で、当スタジオが国内最大のパーソナルトレーナースクール「2ndPASS」の運営、私の方で講師を行いますというご報告をさせて頂いたのですが、その準備に追われているためどちらかというと


頭の中がトレーナー向けの指導内容でいっぱい


になりつつあります。もちろん、日々スタジオのお客様と対峙もさせて頂いているので、それはそれなんですが、考えてるうちに


「トレーナーの実力っていうのは、痛みへの対処で一つ測れるな」


と思ったので、そんな考え方を今回は記事にしていきたいと思います。


例えば、「膝が痛い」お客様がいて、それに対応しているトレーナーがいたとします。

トレーナーの対応で、実力が分かる?

というわけで、どうしても専門用語が出てくるので一般の方にはちょっと読みづらい箇所も出てくるかと思いますが、出来るだけ分かりやすく解説をしていきますのでお付き合いください。


例えば、スタジオにいらっしゃったお客様から


「膝が痛くて、スクワットとかちょっときついかも・・・」


と言われたとき、トレーナーの対応としてはいくつか段階があります。ちょっと見ていきましょう。


Level 1:「あ、膝痛いんですね!じゃあ今日は膝を使わないトレーニングにしましょう!」


これは、一番ダメなパターンというか、トレーナーとしては勉強不足がかなり伺えるタイプです。


Level2:「膝痛ですか、ちなみにどんな動きをしたら痛いですか?」


次に、「あ、もしかしたら治せるかもしれないぞ」と思える段階のトレーナーですが、「膝の痛み」と言ってもその原因は様々なので、ここで質問を止めるくらいであれば「分かる風」を装っている可能性もまだ高いです。


Level3:「ちなみに、膝のどの部分ですか?」


これも大事な質問ですね。膝の痛みというのは、膝蓋骨(いわゆる膝のお皿)を中心に上下左右のどこが痛いかを把握することで、その原因をある程度絞れます。例えば、ここでお客様が


「膝の内側が痛くて・・・」


と仰ったとしましょう。ここでピンとくるトレーナーは次の段階に進むことができます。


Level4:「もしかしたら鵞足炎(がそくえん)かもしれない」


はい、ここで初めて具体的な症状がトレーナーの頭の中で可能性として出てきました。とはいえ、この記事を見ているほとんどの方は


「鵞足炎(がそくえん)」


と言ってもピンとこない方がほとんどかと思いますので、今回は半分スタジオのお客様向け、半分トレーナー志望の方向けに書いているので、ちょろっと説明をしていきます。

ちょっと寄り道「鵞足炎」とは?

唐突な質問をするようですが、皆さん、


人体にある骨って、何個あるかご存知でしょうか?


これは考えても知らないものは知らないかと思いますので、答えを言うと


206個(新生児だと207個)


です。で、もう一つ質問を。例えば、脛(すね)ってあるじゃないですか。ここの骨のことを脛骨(けいこつ)っていうんですけど。ちょっと写真を見てみましょうか↓

 
脛骨



はい、これが皆さんの体の中にもある脛の骨ですね。で、この脛骨の中にも場所によって名前が色々ついてるって知ってますか??


基本解剖学を学んだことがある方でないと多くの方はご存知ないかと思いますが、ちょっと下の画像を見てみましょう↓
 
脛骨


脛骨の中でも、場所によって色々と名前が付いているのがお分かりになるでしょうか?


これっていうのはちゃんと意味があって一つ一つ細かく名前が付いているわけですが、例えば


「この筋肉はこの骨についてるんだよ」と言われたところで、


「この骨って、この骨のどの部分じゃい!!」


となってしまうわけです。ですので、一つの骨の中にも場所によって色々と名前が付けられているわけです。例えば、脛骨粗面とか、大腿骨臀筋線とか、大腿骨小転子とか、ASIS(上前腸骨棘)とか。もう本当に無数に名前が付けられてるわけです。


ちょっと前置きが長くなってしまいましたが、鵞足炎の話に戻ると、そもそも「鵞足」っていうのは脛骨の一部の名前のことなわけです。それがどこかというと↓
 


はい、めちゃくちゃ分かりづらい画像なんですけど、脛骨の上部の内側の一部分のことを指します(要するに膝の内側)。つまり、鵞足炎というのは、ここらへんに炎症が起きているということなんですけど、骨の炎症というのは無いので、正確にいうと「鵞足についている筋肉に炎症がおきている」ということです。


じゃあ、この鵞足についている筋肉って何なのか?と次に考えます。

痛みの原因になっている筋肉を特定せよ

なんだか途中から鵞足炎についての記事になりつつありますが、あくまでこちらの記事は


「トレーナーの実力は、痛みを相談すると分かるかも」


というテーマに沿ってお話を進めております。


で、この脛骨の鵞足という部分についている筋肉というのは3つ存在します。それがこちら。


①半腱様筋いわゆるハムストリングの中の一つの筋肉ですね↓
 
半腱様筋


②縫工筋:これも余談ですが、「縫工」というのは昔の仕立て屋さんのことを指すそうで、昔の仕立て屋さんというのはあぐらをかいて縫物をしていたそうで、ですのであぐらをかくときに使う筋肉なんですね↓
 
縫工筋


③薄筋:いわゆる内転筋の中の一つの筋肉です↓
 
薄筋


これら3つの筋肉が鵞足には付着しています。ですので、鵞足炎の原因となっている筋肉は以上の3のどれかに炎症が起きていることが想定されるわけです。


じゃあ、次にこの3つのどれが痛みの犯人、ということを特定しなければならないわけです。これを特定するためには、それぞれの筋肉の役割(機能)が分かっている必要があります。


例えば、半腱様筋であれば


・股関節の伸展(股関節を伸ばす)

・股関節の内転(股関節を内側に動かす)

・膝関節の屈曲(膝を曲げる)

・股関節の内旋(膝を内側に回旋させる)



という働きを持った筋肉です。ですので、これらの動きをして痛みが生じれば原因はこの筋肉だということになりますし、それであまり痛みがなければ他の2筋の可能性を同様の手順で疑います。


例えば、縫工筋ならその役割に「股関節の屈曲」「膝関節の外旋」があるので、そういった動きをさせてみるとか。こうやって順番に確かめていくわけです。すると、鵞足炎の原因になっている筋がどれか特定できることになります。


で、この原因となっている筋が特定出来たらどうするかというと、そこで初めて


コンディショニング(ストレッチ・筋膜リリース・マッサージなど)


という手技を使って、その原因になっている筋に対してアプローチをしてあげることになります。ここまでが、「膝の内側が痛い」と訴えられるお客様へのアプローチの流れになります。


ちなみに、経験的にこういったお客様の場合、かなりの確率で痛みがかなり緩和されてトレーニング可能なレベルまで戻るか、痛みが無くなることがほとんどです。
さて、ここまでの話をもう一度まとめると、


Level 1:「あ、膝痛いんですね!じゃあ今日は膝を使わないトレーニングにしましょう!」

Level2:「膝痛ですか、ちなみにどんな動きをしたら痛いですか?」

Level3:「ちなみに、膝のどの部分ですか?」

Level4:「もしかしたら鵞足炎(がそくえん)かもしれない」



というところからですね。


Level5:「鵞足に付着している筋が何か分かる


Level6:「その筋肉のどれが原因が調べることができる(=それぞれの筋の機能を理解している)」


Level7:その筋の付着している部位(起始・停止)を正確に特定して、リリースができる


というレベルで分けることができます。つまり何が言いたいかというとですね、


「膝が痛い!」


というお客様が目の前にいたときに、


Level 1:「あ、膝痛いんですね!じゃあ今日は膝を使わないトレーニングにしましょう!」


というトレーナーと、


Level7:その筋の付着している部位(起始・停止)を正確に特定して、リリースができる


というトレーナーでは、もうちょっとのレベルの差ではなくて、全然レベルが違うってことです。


じゃあ、ここまで出来るトレーナーがどれくらいいるのかって言われてしまうと、ぶっちゃけ


全トレーナーの上位10%くらい


じゃないでしょうか。あくまで肌感ですが、結局これっていうのは


解剖学


が頭に入っていないと何にも対処できないわけですね。だから、経験に頼ってトレーナー活動するのは別に否定しませんが、知識がないとそのトレーナーの成長はすぐに止まってしまうし、ひいては


お客様に出来ることが「なんとなく」のトレーニングになってしまう


ということです。

1人1人の体に合わせる、ことが当たり前にしよう

トレーナー向けなのか、一般向けなのか分からないような記事の内容になってきましたが、パーソナルトレーニングで良く言う


「1人1人に合わせたトレーニング」


とか、


「オーダーメイドで」


というのが、本当にそれが出来ているのかということです。口で言うのは簡単ですけど、実際にそれが出来るのは、全身の解剖学が頭に入っていて、且つ、それを基に考えながらお客様と対峙してきたトレーナーだけです。


ですので、お客様には是非そういったトレーナーを選んで欲しいし、これから僕はこの「1人1人の体に合わせたトレーニング」が当たり前に出来るトレーナーをこれから沖縄に輩出していきたいと考えているわけであります。


というわけで、これもトレーナーの実力を測る一つの指標ということでなんとなくご理解いただけたでしょうか。結構長く書いてしまいましたが、本日はここまで!!


studio kinari ミナミ